医師として妊娠、出産の現状について。
晩婚化で現在3割の女性が35歳以上で出産しています。しかし妊娠適齢期を過ぎると卵子の数が減ることで妊娠しにくくなっています。40歳を過ぎての出産では母体に問題が出やすくなっています。女性のライフスタイルへのサポート
女性の場合、月経で仕事を休むのはキャリア形成でマイナスになるという考えがあり、我慢してしまう。この勤務環境や経済的な理由が晩婚化につながっています。女性の妊娠適齢期を加味した働き方や、月経異常に対しての理解やサポートできる環境づくりが必要です。教育現場での性教育の充実を
妊娠、出産、不妊も含めた性教育が充実していないと感じています。本来は高校生までに知ってほしい知識であるのに、セックスについてとか避妊についてなど部分的なイメージが先行しているのが現状のようです。~20歳代の生活スタイルの乱れ
●やせの増加●
早産、低出生体重児分娩のリスクが高い
●肥満の増加●
過体重児出産、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病のリスクが上昇する。男性もがんや糖尿病などの生活習慣病になりやすくなる晩婚化、女性のキャリア形成、
不妊治療の向上
●出産年齢の高年齢化、
慢性疾患を持った女性の増加●
AYA世代(思春期と若年成人)の
がんの発生
●この世代の男女のがん発生●
(白血病、脳腫瘍、リンパ腫、乳がん、子宮頸がんなど)の発症が抗がん剤や放射線治療による生殖機能につながる恐れがある卵子の数は決まっている?
卵子は女性が産まれる前から持っています。胎生期が最も多く、その数は700万個。しかし、その後は新たに作られることはなく、女性が年齢を重ねるとともに卵子の数は減っていきます。卵子の老化って?
年齢が高くなるにつれて、卵子の老化が起こることが分かっています。特に30代以降は徐々に老化がすすみ、妊娠率も下がるとともに、胎児の染色体異常の発生率が上昇します。精子は新たにつくられていくけれど…
精子は思春期以降、毎日つくられます。しかし精子も男性が年齢を重ねるとともに運動率や質が低下し、遺伝子異常も起こりやすくなるといわれています。夫婦で受けよう! 妊孕性検査
妊娠を希望する夫婦が、共に受けた不妊検査の費用を助成します。さらに、専門医より、結果を踏まえた妊娠への助言や、必要な場合には、より専門的な検査や治療へとスムーズに進めるよう支援します。