私たちの未来をはぐくもうVol.199
はぐくみ徳島紙面シリーズ 企画制作◎徳島新聞社営業局
今、知っておきたい!! プレコンセプションケア
プレコンセプションケアとは、将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの健康に向き合うことです。若い時から健康意識を高めて、生涯にわたってより質の高い生活を送ること。そしてより健康に妊娠・出産を迎えて次世代の子どもに健康をつないでいくことができるよう、プレコンセプションケアに取り組みましょう。
ライフプランの実現に
プレコンセプションケアは欠かせない
苛原 稔
徳島大学 特命教授
日本産科婦人科学会 専門医・指導医
 妊娠・出産には適切な時期があります。また、健康であることも大切です。そのためにプレコンセプションケアに取り組み、若いうちから正しい知識を得て、自分のライフプランに適した健康管理を意識しましょう。より質の高い生活を送ることで、子どもを望む人には将来の健やかな妊娠・出産につながり、次世代の子どもも健やかに育つ可能性を広げます。

医師として妊娠、出産の現状について。

 晩婚化で現在3割の女性が35歳以上で出産しています。しかし妊娠適齢期を過ぎると卵子の数が減ることで妊娠しにくくなっています。40歳を過ぎての出産では母体に問題が出やすくなっています。
 また、若い女性の場合でも同じ年齢の男性と比べ、がんになる可能性が高く、乳がん、子宮頸がん、白血病など、妊娠前に発症したり、妊娠中にがんが発見されたりと、妊娠や子育てに影響が出る場合もあります。

女性のライフスタイルへのサポート

 女性の場合、月経で仕事を休むのはキャリア形成でマイナスになるという考えがあり、我慢してしまう。この勤務環境や経済的な理由が晩婚化につながっています。女性の妊娠適齢期を加味した働き方や、月経異常に対しての理解やサポートできる環境づくりが必要です。

教育現場での性教育の充実を

 妊娠、出産、不妊も含めた性教育が充実していないと感じています。本来は高校生までに知ってほしい知識であるのに、セックスについてとか避妊についてなど部分的なイメージが先行しているのが現状のようです。
 もっと大切な妊娠適齢期やプレコンセプションケアの情報を教育現場や企業などを含め、さまざまな機会で取り上げてもらえるように現在産婦人科医会でも取り組んでいます。
プレコンセプションケアが重要なワケ

~20歳代の生活スタイルの乱れ

やせの増加
早産、低出生体重児分娩のリスクが高い

肥満の増加

過体重児出産、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病のリスクが上昇する。男性もがんや糖尿病などの生活習慣病になりやすくなる

晩婚化、女性のキャリア形成、
不妊治療の向上

出産年齢の高年齢化、
慢性疾患を持った女性の増加

妊娠率が低下し、流産や胎児の染色体異常の発生率が上昇する

AYA世代(思春期と若年成人)の
がんの発生

この世代の男女のがん発生

(白血病、脳腫瘍、リンパ腫、乳がん、子宮頸がんなど)の発症が抗がん剤や放射線治療による生殖機能につながる恐れがある
プレコンセプションケアへの取り組み
~からだもこころも健やかでいるために~
健康診断を受けよう!
妊孕性検査を受けよう!
感染症を予防しよう!
たばことお酒に注意!
葉酸をとろう!
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知っていますか?
女性の各年齢における卵子の数の変化

卵子の数は決まっている?

卵子は女性が産まれる前から持っています。胎生期が最も多く、その数は700万個。しかし、その後は新たに作られることはなく、女性が年齢を重ねるとともに卵子の数は減っていきます。

卵子の老化って?

年齢が高くなるにつれて、卵子の老化が起こることが分かっています。特に30代以降は徐々に老化がすすみ、妊娠率も下がるとともに、胎児の染色体異常の発生率が上昇します。

精子は新たにつくられていくけれど…

精子は思春期以降、毎日つくられます。しかし精子も男性が年齢を重ねるとともに運動率や質が低下し、遺伝子異常も起こりやすくなるといわれています。
自分たちのからだの『妊娠するちから』ご存じですか?
徳島県 妊孕性検査支媛事業 のご案内

夫婦で受けよう! 妊孕性検査

妊娠を希望する夫婦が、共に受けた不妊検査の費用を助成します。さらに、専門医より、結果を踏まえた妊娠への助言や、必要な場合には、より専門的な検査や治療へとスムーズに進めるよう支援します。
徳島県で不妊検査を共に受けた夫婦は
最大2万5千円助成されます
※助成の対象としない費用●体外受精を希望した場合の保険適用となる一部検査費用●食事療養費、差額ベッド代●性感染症検査に係る費用●他の助成制度等で助成されていた期間に係る治療(検査)の費用
対象となる方
次の~全てに該当する方
過去に不妊治療(人工授精、体外受精、顕微授精)を受けたことがないこと
助成の申請時に、夫婦一方又は双方が徳島県内に住所を有していること
検査開始日における妻の年齢が40歳未満であること
事業対象医療機関で夫婦が共に検査を受けていること
対象となる検査
妊孕性を知るための(不妊)検査《保険適用外の検査
 ※男女共に必須検査は受けてください
夫または妻の検査開始日のいずれか早い日から1年以内に双方が受けた検査
助成制度・申し込み・手続き・事業対象医療機関等について詳しくは徳島県ホームページ(2次元コード)をご覧ください。
●お問い合わせ
徳島県未来創生文化部こども未来局こどもまんなか政策課 電話088-621-2730
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