私たちの未来をはぐくもう
2024年5月号
はぐくみ徳島紙面シリーズ 企画制作◎徳島新聞社営業局
親子サークル「つちからき」代表

児島 久美子 さん

徳島阿波市生まれ育ち。大学入学と同時に関東へ。認定ベビーシッター、インタープリター(自然の通訳者)を経て、2012年に帰省。保育士、チャイルドカウンセラー。自然あそびと、絵本とわらべうたが好き。
親子サークル「つちからき」
子どもたちと自然の中にいると
わたしが発見できなかったことを見つけてくれます
 徳島市内で野外活動を中心に活動する親子サークル「つちからき」。ここは自治体や支援団体などから受ける子育て支援とは違い、子育て中の保護者が集まり、お互いが協力し、親子で一緒に子育てを楽しむサークルです。 代表の児島久美子さんがこの活動を始めたきっかけは、蔵本公園で知り合った親子との出会いでした。
 そのころの蔵本公園はたくさんの親子がお弁当を持参して長時間過ごしていました。児島さんも集まった親子たちと自然と仲良くなっていました。その中の一人の方から自主保育グループに参加していた話を聞き、徳島でも自主保育をしたいと思ったことが始まりでした。
 そして2015年に蔵本公園で仲良くなった数組の親子と阿波史跡公園に出かけ、みんなで芝生の丘を転がって遊びました。
すぐそばにある自然との出会いの場
 児島さんは、もともと自然体験の場所をつくりたいと考えていました。(株)自然教育研究センターの環境教育に携わるインタープリター(自然の通訳者)としての経験があり、環境問題を解決するには、子どもの頃からの自然体験が不可欠という思いがありました。
 「環境の大切さを伝えようと思っても、自然が好きじゃないと空回りしてしまいます。自然と接する体験があって初めて、自然の良さがわかり、環境のことも大切に考えることができるようになります。だから、子どもたちに自然とふれあえるきっかけをつくりたかった。それと、子どもの時に自然の中で過ごした心地良さは、大人になって必ず支えになる」と児島さんは話します。
 その思いが自主保育の形で、土から木が育つように、子どもたちがゆっくりと時間をかけて、すくすくのびのび育っていくことを願った親子サークル「つちからき」が誕生しました。
 そして活動の様子や参加募集をインターネットで発信しながら、季節の植物や昆虫を見つけたり、雨上がりの水たまりで遊んだり、公園内を探検するなど、さまざまな自然とのふれあいを親子で体験する活動を続けて行きました。
 そして、子どもたちの成長に合わせ、出かける場所も、中鮎喰川公園や吉野川河口干潟、神山町、国府町の自然農園マユコベなどへと活動範囲も広がり、内容も充実して行きました。
 2017年からは「子どもゆめ基金」を活用して「土と遊ぼう!木と遊ぼう!森と畑のおやこ園」を神山町や国府町で開催。専門の講師を迎え、森や山でアウトドアの遊び方、畑では農作業の体験などを行いました。
 次に2021年から2023年まで「子どもの居場所づくり推進事業」による自然農園マユコベでの「畑のプレーパーク」を実施。親子で一緒に野菜を育て、収穫や料理をしたり、畑で出会う昆虫やニワトリと遊んだり、土の感触やにおいなど、自然農園の畑でしか体験できない活動を行いました。
 「子どもに色んな経験や体験をさせたいと、たくさんの親子が参加してくれますが、子どもが体験に参加しなくて、困っているお母さんもいます。そのときに子どもが興味を示さなくても、大人が自然の中で何かをしている光景を見せるだけでもいいと思います。チャンスはいつでもあると思えるくらい、その風景が日常になるといいなと思ってサークルを続けています」と児島さん。
みんなで食べるとおいしい
みんなで遊ぶと楽しい
 今年4月からは自然農園マユコベで月1回開催の「みんなで!畑ごはんの日」がスタートしました。畑の野菜を収穫し、みんなでつくって、みんなで食べる、共食の場。そして子どもたちを共にはぐくみ、大人も一緒に育つ、共育の場を目指しています。
 毎週水曜日、金曜日は阿波史跡公園や中鮎喰川公園、吉野川河口住吉干潟、自然農園マユコベで通常のサークル活動も実施しています。天気や参加者の都合によっては誰も来ない日もあるそうで、そんなとき児島さんは読みかけの本を読んだり、広い空を見上げたりして、ただ自然に包まれて過ごせる時間を楽しんでいるそうです。
 「つちからき」の活動を長く続けている理由を児島さんに尋ねると「楽にできることしかやっていません。単純に自然の中で遊んでいる子どもたちを見るのがうれしくて楽しいと感じています。こういう活動ってお金も掛からないし、お母さんが何人か集まればできるので、あちこちで増えればいいのに」と答えてくれました。

土と遊ぼう!木と遊ぼう!森と畑のおやこ園(森の日)

土と遊ぼう!木と遊ぼう!森と畑のおやこ園(畑の日)
親子サークル「つちからき」
  • 活動日時と活動場所
    毎週原則水・金曜日(長期休みは月・水・金曜日)阿波史跡公園(国府町)、自然農園マユコベ(国府町)、河川敷、山、川など
    10:00~お昼ご飯を食べて解散
  • 参加費:
    無料(子どもたちみんなの安全管理をみんなでします)
  • 対象:
    未就学児とその保護者(お兄ちゃんお姉ちゃんもどうぞ)
  • 持ち物:
    お昼ご飯、飲み物、敷物、帽子など
    ※おやつとおもちゃの持ち込みはご遠慮ください。
  • 申し込み・問い合わせ
    email :kumizouno@gmail.com コジマまで

畑のプレーパーク
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